多軸ターニング ツイステッド・ボックスの製作
製作開始

縦、横がほぼ同じサイズの角材を準備します。今回は10cmx10cmx15cmのケヤキを準備しました。両端の中心を出してから、ビツインセンターで旋盤に取り付けます。両端につかみしろを作ります。

以前紹介したスリーサイドボウルは回転軸を平行にずらして挽きましたが、今回はその回転軸をねじって挽きます。そうすると右の写真のようにサイド面がねじれた物が出来ます。今回はこのツイステッド・ボックスの製作方法について説明します。

完成

オイル仕上げをして完成です。問題は木目が通る位置に蓋を止めないと、蓋と身がぴったり合いません。3面を完璧に同じに挽けば会うのでしょうが、それは無理と思います。

サンドペーパーをかけ終わったら、旋盤から取り外し平らな真空チャックに取り付けます。身も蓋も同様の手順で上部と底を仕上げます。蓋の方は上を丸く、身の方は底を少し凹ませました。直径が小さいので、真空チャックでは十分な力で固定できません。途中までライブセンターで押して削っていき、最後だけライブセンターを外しました。真空チャックを持っていない人は、ライブセンターで押して、最後のおへその部分は手作業で仕上げます。

削る量は内径より大きな円を、事前にコンパスで書いておきます。それを目印に切る量を決めます。

挽き終わったら、旋盤を止めてサンドペーパーをかけます。山の部分がなくならないように注意をします。

旋盤を回してガウジで挽いていきます。オフセット量が少ないので、あまり大きな振動はでません。小生は1,500RPMぐらいで回転させました。刃先を見たのではどの様に削られているか分からないので、ワークの上側を見ます。旋盤のベッドと平行になるよう、平らに仕上げます。最初はガウジを直角に当てて削りますが、最後の方はベベルラビングさせて挽いた方がきれいな仕上がりになります。仕上げの時は出来るだけ薄めに取るときれいに仕上がります。

ドライブ側は4爪のドライブセンターを使いました。ライブセンターは木の中に深く入らないよう、カップの付いたものにします。ロバートソービーのステブセンターがあればそれを使ってもよいでしょう。

蓋と身を合わせて木目が通る場所に固定します。この状態でA、B、C点を両端に書きます。片側はA、B、C点は90度回転させてください。中心からのずれ量は木の半径が50mmに対し19mmにしました。中間点の25mmと大きめにするとサイド面がより平らになります。この辺りは実際に作ってみてどの様に違う結果になるか、確認するしかないでしょう。

パーティングツールで蓋と身を切り離します。

回転軸の説明

スリーサイドボウルの場合は下図の左側のように支えて回転させます。A点は中心から同じ距離、同じ方向にずらして、両側から支えます。ツイステッド・ボックスではA点は90度回転させて両側から支えます。準備作業として材料の片面に120度の角度でABCの点を書いて、反対側にはABCの点を90度回転させて書きます。右の写真は上は120度、右写真下は90度ずらせています。大きくねじれさせるには、90度以上にします。

身と蓋をつかみしろの側から見たところです。

まず蓋の方をチャックに取り付け内側をくり抜きます。サンドペーパーも内側と淵の部分にかけます。次に身の方に蓋を取り付ける重ね合わせ部分を作り、内側をくり抜きます。これも内側と淵にサンドペーパーをかけておきます。