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風速の測定が重要とのこと。十分な風量が無いと、目に見えるダストは集塵出来ても健康に有害な微粉塵は室内に飛散してしまいます。各機械に必要な風量は工具メーカー、集塵機メーカー から公表されていてそれを目安にしています。下の写真のような熱式風速計で測定しています。配管に小さな穴をあけてセンサーを突っ込んで測定する。この時の測定結果は15.8m/sでした。風量は配管の面積と風速をかけると求めることが出来ます。直径が15cmの配管なので、15.8m/sx0.075x0.075x3.1416x60=16.7m3/minとなります。CFMに換算すると約600CFMになります。配管や機械のダストポート、内部構造などによる圧力損失でメーカーが発表している集塵単体の場合より風量はそこそこ低下します。

木工・金工・電気工作 のMokkinさんの工房訪問

フライス盤と金工旋盤です。

これは床に取り付けた吸い込み口です。こぼれたゴミを吸い取ります。しかしこの集塵システムだと吸い残しが出ないと思われます。

これはφ120のフレキシブルホースを使ってφ150のY字管からバンドソーと自動カンナのφ100の集塵ポートに接続しているところです。ホースの口のところを回すと口径が変化するそうです。なだらかに口径が変化するので、排気抵抗が低いとのこと。カナフレックス硬質ダクトNSという商品名です。

工房内の配電盤です。漏電ブレーカーから出てきた、工房内の電動工具に配線される線に、電流検出コイルを巻いています。工房内のすべての電動工具のスイッチを入れると、電流を検出して集塵機が回るようになっています。その検出した電流を増幅して、小型のリレーのON-OFFをやります。これでは2.5馬力の集塵機の電源のON-OFFは出来ないので、遮断機を使っておられます。遅延タイマーも付いており、電動工具の電源を切ってからも少しの間、集塵機が作動するようにしています。集塵機を電波リモコンでON-OFF出来るよう、電波リモコンの受信機も並列に入っています。

2010.4.25訪問

静岡県富士市のMokkinさんの工房を訪問してきました。Mokkinさんは2年半ぐらい前に定年を迎えられ、それを機にそれまでの住まいである横浜から、現在のところに移られました。新築の住宅なので、工房のスペースをどうするか十分検討されています。うらやましいのが宅地の面積です。全部で180坪もあるそうで、駐車場と前庭で60坪、住宅部分が60坪、裏庭が60坪となっています。カーナビで到着すると、工房らしき建物がありません。しかも周りは住宅地で、工房にはあまり向かない場所に思えました。その辺りは少しずつ説明していきます。

こちらがお庭です。ウッドデッキもMokkinさんによるものです。

こちらは以前自作をされたサイクロン集塵機です。掃除機代わりになっています。

Jetの木工旋盤です。

自動ブラストゲート

Mokkinさんの工房でまず語らなければならないのは、完ぺきな集塵システムです。なぜ住宅の中に工房を設けたか?住宅地なので、騒音の問題について配慮が必要です。別棟の小屋を建てても、騒音対策をすると費用がかさんでしまう。それだったら、住宅として大きめに建てて一部を工房として使う。費用はあまり変わらないと言う。従って住宅内の工房なので、他の部屋に埃が行かないよう集塵には力を入れられた様です。

アメリカのPenn State Industriesから買われた2.5馬力のサイクロンが鎮座していました。船便で輸入されたそうです。これが電動工具の電源投入に同期して作動するようになっています。

風速の測定
電動工具

↑ 10”のレクソンのバンドソーです。騒音で悩んでいる人は多いと思いますが、徹底的な対策で騒音を押さえこまれています。金属用の刃を取り付けて、金属の切断用になっています。

ルーターを取り付けた台が左右に動きワークを回転させながらスパイラルの溝などを切ることが出来ます。すべて自作です。↓

ルーターテーブルです。↑                            

電動工具のスイッチを入れると自動的にブラストゲートが開きます。スイッチを切るとゲートが閉じると言う仕組みになっています。サイクロン集塵機が自動的にON-OFF出来るようになっているので、集塵に関しては完全に自動化されています。電動工具を使うことだけに集中すれば良いだけです。ブラストゲートは同じ物だと面白くないので、電動工具別に違った方式の物が作られています。Mokkinさんにとってはこの当たりの工作は、簡単な物なので工房内のすべての電動工具に取り付けられています。代表的なゲートの動作状況を3種類紹介します。写真をクリックすると見ることが出来ます。

完ぺきな集塵システム
住宅内の工房に入る

工房は小生の工房と同様、住宅の中にありました。家の中央にある玄関を入ると、広い廊下と踊り場があり、右側が工房で左側が20畳以上ある居間になっています。工房の方は16畳ぐらいあります。ドアをあけて中に入り、左右の写真を撮ったのが下の2枚です。

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配管はメインダクトは150mmのストレート管です。出来るだけ急に曲げない努力をされています。90度の角度で曲げると、排気抵抗が大きくなり、十分な吸引力が得られないとのこと。サイクロンの排気側ですが、天井裏にフルターを収納、屋外に排気されています。壁に穴があいているのが見えるでしょうか?