ナカトミWT-300

オーディオ用のウッドホーンを作るため、木工旋盤を探していた。ネット
上で色々検索するとこのナカトミのWT-300を使っている方が多いこと
が分かった。値段が安価(24,000円ぐらい)で性能が良いという評価で
あった。すぐに作業を始めることが出来るようバイトが8本付属している
。早速購入して設置した。

ナカトミ4爪スクロールチャックも同時購入した。

問題は回転数の変更をプーリーの架け替えで行うようになっていた。しかし作業を中断してプーリーの架け替えは大変不便である。早速電子コントロールで回転数を変更出来ないか検討した。

インバータの導入

秋月電子のトライアック万能調光器があったのでWT-300を接続し
てみる。200V,40Aの仕様であるが、トライアックの放熱板が小さい
ものにしたので、10A程度しかコントロール出来ない。しかし500Wの
モーターには十分な容量です。

インバータではないので回転数を下げると電圧が降下する。従ってトルクの低下が激しい。500RPMぐらいだと手でハンドホイールを押さえるとモーターが止まってしまう。これでは使えない。ブラシ型のモーターだと問題なくコントロールできるが誘導モータはやはりインバータが必要なようです。

回転数の測定はこちらを参照。⇒

旋盤の回転数の測定はレーザー照射式のデジタル回転計を使っ
た。反射テープをハンドホイールに貼り付けてそれにレーザーを照
射すると簡単に回転数を測定できます。ネット通販で5,000円ぐら
いで購入しました。

デジタルタコメーター
インバーターの導入

インバータは誘導モーターに供給する電源の周波数を変えるこ
とでモータの回転数を自在に変更できます。極端に低い周波数
でない限りトルクの低下がないというのが特徴です。

WT-300のモーターをコントロールする単相の電源のインバータ
を探したが見つからなかった。インバータの入力電源が単相
100Vのものはあるが、出力が単相100Vのものはなかった。結論
としてモーターを三相200Vの物に交換することにした。

富士電機の750Wまでコントロールできるインバータです。単相
100Vの入力電源では最大の容量になります。200V入力だともっ
と大きい容量のものがあります。

モーターは日立の三相200V、1馬力の誘導電動機をジョイフル
本田で購入しました。プーリーも同時に購入した。WT-300の真
ん中のプーリーとほぼ1:1になる直径の物を選んだ。

モーター交換

WT-300に付属のモーターと日立のモーターの取り付け穴は同じな
のでそのまま取り付けることが出来た。ベルトのテンションは旋盤側
のモーターの取り付け台が蝶番になっているので、旋盤と反対側の
ボルトの締め付け加減でベルトのテンションを調整できます。ベルト
の架け替えは不要なので一度調整すればそれでOKです。

旋盤を作業台に直接取り付けると他の作業が出来ないので、移動
可能なように30mm厚の板の上に取り付けた。インバーターとモータ
ーを三本の線で接続した。アルファベットの番号がふってあるので、
同じ番号同士を接続すればよい。非常に簡単。インバーターの入力
は100Vのコンセントをつなぐ。試運転をしたところ、まったく問題なく
回転した。回転数の設定はインバータのボリュームつまみを回せば
簡単に変えることが出来ます。

試運転

早速おわんを挽いてみた。回転数の変更はインバータで出来るの
で問題ないが、それ以外の問題点が分かってきた。

1、回転数を上げるとやはり振動が少し大きい。
2、付属の8本組みバイトは殆ど使い物にならない。
3、レストの動きがスムーズでなく希望の場所に止めるのに
時間がかかる。
4、延長ベッドを取り付けないとバイトがテールストックに当
たって作業がやりずらい。テールストックは簡単にはずせな
いので延長ベッドを取り付ける必要があります。長いものを
やらない場合でも場所をとってしまうという問題あり。

バイト購入

少しましなバイト(3本組み)を購入した。付属のものと違ってハイス鋼
を使っている。付属のものに比べると格段に良い。しかし刃の部分が
短いのでシャープニングがやりずらいことと、研磨しろが少ないという
問題があります。