ボウルガウジで気持ち良く挽いてかなり深くなってきたので、穴掘り治具に持ち変えました。ツールレストからツールの飛び出しが増えていたことは、確かですが穴掘りツールなので問題ないと油断をしたとたん大爆発です。ツールを強く押しすぎて、コントロールを失い、壁の薄い所に、刃先が当たったようです。もちろん安全ゾーンに居たので、破片が当たることもなく怪我もしませんでしたが、久しぶりの大チョンボです。これでは止めるわけにはいかないので、2個目に挑戦です。

大失敗!

2009年4月5日

ナチュラルエッジのボウルの製作

藤沼流の掘り方ですが、一度に形を作るのではなく上部の淵の部分のある幅だけを削り、仕上げまでやってしまう。中心の部分は分厚い木が残っているので、仕上げ部分が薄くなっても振動することはなく、綺麗に仕上げることができる。1段目が出来ると2段目を同様の手順で仕上げる。2段3段と進むと、1段目の部分は振動で仕上げにくくなっていますが、すでに完了している。この繰り返しで底まで仕上げれば、サンドペーパーをあまりかけなくて良い仕上げ削りが出来ます。藤沼さんはスピンドルガウジと、リングツールを使って、この削りをやられましたが、小生は2回目からはすべてボウルガウジを使いました。穴掘り治具で失敗したので、慣れているボウルガウジで全部やりました。仕上げのシアーカットは藤沼さんがスクライパーを使っていたので、小生も真似をしてスクライパーを使いました。ツールレストから遠くなる底の方は、キャッチングをして上手く行きません。底はガウジで仕上げた後、サンドペーパーのお世話になることにしました。藤沼さんはサンドペーパーは、#100からかけておられますが、仕上げ削りが綺麗に出来ているので、これで十分です。小生の場合は、仕上げ削りのレベルが低いので、#60〜#80のサンドペーパーが必用になってしまいます。スクライパーでのシアーカットを練習する必要がありそうです。

チャックでつかみ直して大体の形に外側を挽きます。淵の部分は、最終の形より淵を多めに残しておきます。概略の外側の形が出来れば内側を挽きます。

まず丸太をビツインセンターでつかんで、チャックのつかみしろを作ります。下の写真ではチャックが見えますが、チャックにドライブセンターの先と同じ4プロウンの物が付いています。真空チャックアダプターが付いているので、ドライブセンターを主軸の中に差せないので、この様にチャックを使っています。真空アダプターを取り外すせばドライブセンターは差せますが、面倒なのでこの様なことになっています。ラフィングには名前の通りラフィングガウジを使いますが、昨日の講習会では、ボウルガウジを使っていました。上級者ではラフィングにボウルガウジを使う人が結構います。ラフィングにしか使えないラフィングガウジを、初心者用の6本セットに入れるのはおかしいという人もいます。太めのボウルガウジがあれば、ラフィング以外にも色々使えるので、ラフィングガウジを購入せずボウルガウジを増やした方が良いというのです。しかし売る側は、高い物を売りたいので必ずセットの中にラフィングガウジを入れてきます。

つかみしろは、昨日はパーティングツールで作っておられました。しかしツールは何を使っても良いでしょう。小生はドブテイル(逆テーパー)にするので、スキューを使っています。

藤沼さんは底の仕上げは、電動彫刻刀でやりましたが、小生は底の仕上げに真空チャックを使いました。ナチュラルエッジなので淵を支えることはできませんが、ボウルの内側にぴったりのチャックがありましたので使いました。芯を出す方法はリバースチャキングがありますが、チャックから取り外したものでも、芯出しが出来ます。MDFで作った丸い円盤をテイルストックに取り付けます。円盤には円を何本か書いておきます。器の底がぴったりと円盤に接するようにしてから、真空チャックに押しつけます。これでかなり精度よく芯を出すことが出来ます。しかし生木なので、器の変形が激しいと真空チャックは使えません。今回使った樫の木はあまり変形しません。

材料の木取りについて書くのが後回しになりました。器の淵になる部分には、外皮に傷とかノコの刃の跡が付いていると使えません。完成後はがれて落ちたりする可能性が高くなるので、傷などない部分を探して使います。左の写真では打ち傷があったので、この部分は削り取って、傷のないところを使うことにします。丸太を支える中心についても、講習会では、かなり厳密に丸太の縦横の径を測定して、決めていました。中心がずれてしまうと、器の淵の高低差が大きくなります。意図的にやるなら別ですが、丸太を支える両側の中心は、コンパスなどで実測して正確に決める必要があります。

真空チャックでホールドしていますが、途中までは芯押し台を併用します。最後は芯押し台を外して仕上げますが、真空チャックなので、ツールはシャープニングをして取り掛かります。

完成

完成しました。淵の部分の皮が落ちることもなく、一応成功と言えるでしょう。乾燥させると、表面に凹凸が出来るので、サンドペーパーをかけ直します。この凹凸についてどうするか講習会で、聞いたところそのまま塗装して完成させるという。好き嫌いがあるので、凹凸が嫌いならサンドペーパーをかけるし、この凹凸が好きならそのまま塗装して完成させるという。小生は凹凸が嫌いなので、サンドペーパーをかけ直します。記憶が正確ではありませんが、藤沼さんは3週間かけて乾燥させると言ったと思います。小生は1週間後にサンドペーパーをかけ直して、塗装します。藤沼さんはオイル+ワックスの仕上げを常用されています。ウレタン系は手間がかかるので、嫌いだそうです。