2011.03.06

海外で売られているグラインダーとか国内のホームセンターで売られているグラインダーは、ホイールのバランスを取ることは出来ません。ワンウェイなどは、20cmのグラインダーに取り付けてバランスを取る治具を販売しています。ホイールに丸い金具をはめて、その金具の上を自由に動かせるおもりが付いています。付属の台に取り付けて、バランスを取ります。詳細は左の写真をクリックして頂くと見ることが出来ます。

この砥石はもともとバランスが取れていたようです。バランサーは180度開いています。

おもりの位置はマジックインキで印を付けます。

鉛のおもりの位置を調整してバランスを取ります。

ホーニングホイールも一緒に取り付けてバランスを取りました。12時の位置に印を付けておき、グラインダーに戻す時は鉛のバランサーの位置もこの台の上と同じになるようにします。

水平であることを確認したら、砥石と鉄の押え(円盤)、それに鉛のバランサーも一緒に棒に差して、平行な台に乗せます。バランサーは180度開いた状態にしておきます。手を放すと砥石の重い部分が下になるよう、砥石が回転してとまります。この状態で90度砥石を回して放すと、元の位置に戻ります。何度かやってみて同じ位置に止まれば、重い部分を下にして止まっていることになります。砥石に鉛筆で印をつけます。下の写真では12時の所に印を付けました。

シャフトをウッドターニングで作ります。砥石の内径と同じ太さに挽いていきます。真ん中に砥石を押える突起を作っておきます。両側の径はまったく同じにします。

グラインダーメーカーの取扱説明書ではホーイールは1個ずつバランスを取れとありますが、その通りグラインダーに取り付けてやっても上手くゆきません。大きくバランスがずれている場合は、メーカーの方法で出来ますが、そうでない場合は、グラインダーに付いている重いローターが邪魔をして、少しのバランスのずれではホイールが回転しなくなります。そこで木のシャフトを作ってそちらに砥石を付けてバランスを取ります。

丸棒に砥石を差して台に乗せますが、水平が完全に出ている必要があります。小生の場合は旋盤の上でツールレストを利用しました。水準器で水平になっていることを確認します。

テックさんのバランスのとり方

2台あるグラインダーの両方の砥石のバランスは取ることが出来ました。左の動画は25pのグラインダーの方ですが、60Hz、1800RPMぐらいで回しています。振動がほとんどありません。インバーターで制御しているので、止まる時は直流注入ブレーキがかかっています。

日立工機のグラインダーは工場で使うことを前提にしているので、ホイールのバランスを取る、バランサーがグラインダーに付属しています。日立に限らず国産のグラインダーは、高性能です。新品でも4〜5万円で買えますし、中古なら5千円〜1万円で買えます。古い物でも、ベアリングを交換すれば新品同様に使えます。今回はその国産のグラインダーのバランサーの調整方法と、鉛を砥石に直接貼り付ける方法も一緒に説明します。

砥石を抑えている分厚い円盤がありますが、その中に2つの鉛のおもりが付いています。おもりの真ん中のねじを緩めるとこの鉛のおもりの位置をずらせることが出来ます。一般的なバランスのとり方ではこの鉛のおもりを180度開いて取り付けます。それから砥石を90度ぐらい回して手を放します。砥石のバランスが取れていないと、砥石の重い部分が下になるよう回転します。その状態でおもりを10時と2時の位置にずらして固定します。それから砥石を90度回転させて手を放します。バランスが取れたら、砥石はそのまま止まりますが、バランスが取れていないと、重い場所が下になるように回転します。90度回してもその場で止まるよう、おもりの位置を微調整して完了です。

完了

バランスを取る作業中は鉛のおもりを固定できないので、セロテープで固定していました。しかしホームセンターで5/8インチ(15.88mm)と3/4インチ(19.1mm)のボルトが売られていたのでそれを買ってきました。それぞれ20pと25pのグラインダー用です。これを使えば鉛のバランサーを固定できるので、バランスを取る作業がやり易くなるでしょう。

一番ひどいのが皮のホイールでした。2つの鉛のおもりをほほひっつける状態でやっとバランスが取れました。

しかしこの様な治具を買わなくても簡単にホイールのバランスはとることが出来ます。鉛の板を接着剤でホイールに張り付けるだけです。回転中に外れて飛ばないように、しっかり接着すれば良いだけです。この方法が一番安上がりなのでお勧めです。⇒

グラインダー砥石のバランス

これはダイヤモンドホイールですが、本体だけではほとんどバランスがずれていませんでした。しかし鉄の押え板を取り付けるとバランスが崩れます。おもりを取り付けてバランスを取りました。

鉛の板の場合は両面テープで仮止めして固定位置を決めます。砥石の重い方の反対側に10gぐらいの板を張ってみます。外周の方に貼るとバランスが大きく変わります。外周に近いところに貼ると、砥石が減ってくると困るので、中間ぐらいに貼れば良いでしょう。位置を決めた後は、エポキシ接着剤などでしっかり接着して完了です。詳細は前のページを見て下さい。

日立の取扱説明書です。↓

日立工機のグラインダー

12時の位置が軽いので、鉛のおもりを10時と2時の位置に持ってくるとこの砥石の場合はバランスしました。鉛筆なりマジックインキでおもりと鉄の押え板の位置に印を付けます。グラインダーには同じ位置になるよう固定します。鉄の押え板の位置も印を付けて、グラインダーに取り付けるときは同じ位置に固定して下さい。この鉄の板もバランスがずれていることがあるので、同じ位置に固定する必要があります。