デジタル回転計の製作

デジタル回転計のキットは、右の写真をクリックすると、販売店のサイトに行くことが出来ます。値段は2,550円ですが、これを入れるケースと電源パックも同時に購入すると、送料を入れて3,835円になります。自分で全部作ることを考えれば、ずいぶん安い物だと思います。計測可能な回転数は20rpm〜99999rpmです。キットを購入すると定型外郵便で部品一式が送られてきます。ケースと電源パックを一緒に購入すれば、他に必要な部品はありません。

キットの組立

木工旋盤の回転数は、インバーター式の旋盤の場合インバーターの表示窓を見れば回転数を知ることが出来ます。しかし表示窓が見やすいところに取り付けられていなかったり、見ることが出来ない場合があります。現在販売されている旋盤では、回転数の表示が付いている物も一部ありますが、殆どの旋盤では回転数の表示がありません。今回紹介するデジタル回転計は既存の旋盤に取り付けて、大型のディスプレイで回転数を見ることが出来るものです。製作と言っても市販されている、キットを組み立てるだけなので、非常に簡単に出来ます。電気の知識が少しあって、半田付けが出来れば組み立てることが出来ます。

マグネットとホール素子を出来るだけ近づけ、回転数を表示出来るようにします。

センサーの取り付け
本体完成

マグネットを旋盤のハンドホイールの根本に取り付けます。磁石なので、磁力で取り付けることが出来ますが、設定が終われば瞬間接着剤を垂らして、動かないよう固定します。

ケースの蓋をして、電源を入れたところです。

ケースの加工

ケースには表示部の窓があいていません。どうやって穴をあけるかです。ルーターを使うと奇麗に窓をあけることができます。しかし小生はルーターは得意ではありません。そこでボール盤にX-Yテーブルを取り付けて、窓の穴をあけることにしました。フライス盤とボール盤は似たような形をしていますが、ボール盤をフライス盤のように使うのは危険だそうです。ボール盤ではチャックの部分が固定されていないので、抜け落ちることがあるのと、堅牢ではないので軸が痛むと言う。しかし今回の様な薄いプラスティックの板の場合は問題ないでしょう。ルーターを手で押してやるより、X-Yテーブルの方が精度良く動かせます。しかし失敗しました。プラスティックに傷を付けたくなかったので、クランプを緩くしていたのが、間違いで、削っている最中にワークが動いてしまいました。ロックはしっかりやるべきでした。

半田付け完了

ケースに取り付けたところです。ケースの取り付け穴と基盤の穴の位置があっています。従ってねじ込むだけです。もちろん電源ソケットとセンサーへ行く線の穴をあけています。

半田こて

半田こてと半田は別に用意する必要があります。小生の手持ちの半田こては60Wと30Wがありますが、非常に細い線を半田付けするので、30Wの方を使います。

回転計の原理
半田付け開始

ホール素子という半導体に電流を流しておいて、そこに磁界をかけるとフレミングの左手の法則で、電流の方向が変えられ、電流と直角方向に電圧が発生します。このパルス電圧の数を数えることで、回転数を計測することが出来ます。

取り付け完了です。回転計の動作している状況は下の写真をクリックすると動画を見ることが出来ます。

部品を基板に差して半田付けしていきます。極性のある部品とそうでない部品があります。小生はラジオ少年だったので、半田付けには自信があります。半田付けのこつは、こての温度、表面が奇麗な事、小量のペーストが必要なことなどです。こての温度は半田こての台に付属のスポンジに水を浸み込ませ、それに押しつけることで適温にします。半田付けされる部品は新品なので特に磨かなくてもそのまま半田付け出来ます。ペーストは糸巻き半田の中に入っているので、別に付ける必要はありません。短時間に半田付けしていきます。長い時間半田こてを半導体部品にあてると、半導体が熱で壊れるので、経験の少ない方は別の物で練習してからキットの半田付けをして下さい。半田付けをされる線は非常に細く、細かいので小生は拡大メガネをかけて作業をします。良く見えないと上手く作業が進みません。右下は半田付けをした部分ですが、上手く半田が乗っていると思います。半田が上手く乗らないと、後で接触不良などの問題が出てきます。