アドバンスド・デップス・ゲージの製作

デップス・ゲージとは深さを測る物指しです。気持ちよくボウルなどを削っていると、底を突き破ることがあります。常に底の厚みがどれぐらいかを気にしながら挽いていく必要があります。そこで下の左の写真のような、測定器が販売されています。写真のようなボックスを測定する時は、この測定器でも正確に測れますが、ボウルの様に底がすぼんでいると、正確には底の厚みが分かりません。真横から見てどれぐらいか推定します。

イスラエルのエリさんはその問題を対策した右下の写真の治具を考案されました。棒の先端に糸を取り付け、ボウルの底の方へ糸を引っ張って正確な底の厚みが測定できるようにしています。しかしそれも目で見て測定器と糸が平行になるよう目で確認します。従って少しは誤差が出るでしょう。

レーザーポインターを取り付ける材木に穴をあけます。レーザーポインター用とコの字の鉄棒用です。ロックが出来るよう鬼目ナット用の穴もあけます。

レーザーポインターの光が中心の鉄棒の先に来るようポインターの位置を調整します。レーザーポインターは壺などの穴掘りツール用の物を使っています。

レーザーポインター使用のゲージ

上記の問題を解決し精度良く底の厚みを測定できる、アドバンスド・デップス・ゲージ(Advanced Depth Gauge)ADGを考案しました。当たり前ですがパテントを取っているわけではありませんので、どなたでも自由に作って下さい。作り方について以下の通り説明します。製作の費用の中で一番高いのがレーザーポインターです。後は数百円の材料代で出来る物です。

直径6mm、長さ90cmの鉄棒をホームセンターで購入します。それを万力でくわえて、ハンマーで90度に曲げます。一度だけ90度に曲げたぐらいでは鉄棒は折れません。何回もやると折れるので、1回で90度に曲げて下さい。2カ所曲げてコの字型にします。真ん中の部分の長さはどれぐらいの大きさのボウルを測るかで長さが変わってきます。小生の場合40cm以上のボウルを挽くので、22cmにしました。従って直径40cmぐらいまでのボウルの測定が出来ます。2本の棒の部分は平行になるようコの字を調整します。

使い方

右手で測定器を持って中心の鉄棒の先をボウルの底に当てます。左手でレーザーポインターのスイッチを押します。ボウルの外側のレーザーの赤いマークの位置が内側の深さになります。従って簡単に底の厚みを確認できます。必要に応じて鉛筆で印を付けます。

きちんと平面が出た木の棒にボール盤で穴をあけます。垂直に穴をあける為、ボール盤を使っています。コの字の鉄棒がスムーズに動くかどうか確認します。少し大きめの穴にすると問題なく動きます。

コの字の棒をロックするため鬼目ナットと蝶ボルトを使います。一番小さい5mmの物です。