夢工房月例会(12月14日)

今回のテーマは『夢工房刃物作り鍛冶屋の会』です。和式の轆轤用専
用の刃物になります。実際の作り方は下記の通りです。

柄

事前に作って置くように言われていた刃物の柄です。14mmのドリル
がないので夢工房で開ける方もいました。小生は鉄鋼用の14mmのド
リルがあったのでそれを使いました。

柄側の鍛造
和式の刃物の種類

山口氏が使っている刃物を見せて頂いた。今回作るのは左の写真のものです。形状からいってこれが一番素人には作り安いように思えます。材料はφ14mmのHSS鋼です。

まず手元側の鍛造を行います。丸棒を叩いて先をとんがらせます。φ14mmのHSS鋼を柄にさす前に棒のふちをグラインダーで滑らかにして、柄を水で濡らします。加熱している間に柄が熱くなって持てなくなるのを避けるためです。柄をバケツの水の中につけたあとHSS鋼を柄に叩き込みます。その後下の写真のように炭で先を焼きます。ブロア付きの装置ですが、元々は鉄橋工事などのリベットを加熱する時に使われていたものです。炭の上に置くのではなく十分赤熱するよう鉄棒の上にも炭を置きます。七輪の横に穴を開けて加熱に使うことも出来ます。

刃先の鍛造

鉄棒を柄から抜いて反対に差込ます。今度は刃先なので平らになるよう叩いて
いきます。刃先が薄くなってくると、すぐに加熱されるので焼き過ぎに注意が必要
です。オレンジ色になると加熱しすぎです。また温度が下がった状態で叩かない
ことです。黒くなった状態で叩くと刃先が割れてしまいます。

刃先が平らになってくると今度は曲げます。写真の下の治具を使ってまず刃
の先から曲げます。その後中間部分を曲げて行きます。刃先が薄いので焼き
すぎには注意が必要です。

刃物を自然冷却させた後、刃先の横をグラインダーで仕上げます。

焼き入れ

十分に赤熱させた後、エンジンオイルをを入れた容器に漬けます。一瞬炎が出て驚きますが、すぐに消えます。エンジンオイルは燃えないように設計されているので、焼入れには丁度良いのだそうです。水を使わないのがプロっぽい。これで焼入れ完了です。

刃先の研磨

刃の内側をサンドペーパーで仕上げます。木工旋盤にサンドペーパーを巻きつけ
る治具を取り付けます。100番から150番、240番、400番とあげていきます。研磨は
刃先だけでよいので手前に引っ張りながら研磨します。

次に刃先の外側をグラインダーで5mmほど研いで刃を付けます。その後砥石で研磨して仕上げます。これで完成です。意外と簡単に出来たが、要所は山口さんが手伝ったり、アドバイスしたので、一人でやる場合は何度か失敗しないと出来ないだろう。

試し切り

参加者の作った刃物を使ってみたが、刃先の曲がり方にばらつきがあり、個
別に使い方を工夫する必要があるそうです。挽いているところを見ると洋式と
違い、キャッチングはしにくいように思えます。

終わり
金鎚

金鎚の打面には凸面と平面があります。刃物作りでは凸面のみを使います。