2012年9月15日

レールがあるので、テイルストックも取り付けることが出来ます。下の写真では高さがあっていませんが、もちろん合わせる必要があります。芯をぴったり合わせるのは、かなり難しいかもしれません。しかしテイルストックを取り付けると完全に西洋式木工旋盤になってしまいます。

和式ろくろの製作

ネジが切り終わりました。このままではネジを完全に締め付けることが出来ません。逃げ溝を根元の所に切る必要があります。高さはネジの谷より少し低くします。これで雌ネジの山が入るスペースが出来て、スピンドルアダプターにぴったりとチャックを締め付けることが出来ます。

まな板チャックでつかみ直して芯を出します。チャックをきつく締めずに回転させながらレンチで押しました。チャックの締め付けの加減が難しいのですが、芯を出すことが出来ます。

モーターは適当に台に取り付けて、完成させました。モーターは三相誘導モーターなのでインバーターで回転数を調整します。上手く挽けるかどうか試にボウルを挽いてみました。振動もなく問題なく挽けました。出来上がってみると和式ろくろというより、西洋式木工旋盤になってしまいました。

完成

ろくろの製作、組み立て

1”x8TPIのネジを切る部分を削っていきます。真鍮でも木と同じように削れます。粉状の切りくずが出ると上手く切れていません。刃の当て方が正しければ、長いらせん状の切りくずが出ます。しかしこの切りくずは熱いので腕の上に乗るとやけどをします。長袖のシャツかタオルを左腕に巻きます。

一般的な和式ろくろは先端が尖ったチャックにワークを叩き込むようになっています。しかしこれは少しキャッチングをさせるとワークが飛ぶことになります。従ってチャックをモーターの主軸に取り付けることが出来るようにスピンドルアダプターを使います。モーターは国産の1馬力の物なので、軸径は19mmになります。そのスピンドルアダプターの先は1"x8TPIのチャックを取り付けることが出来るようネジを切ります。スピンドルアダプターはこのろくろのキーコンポーネントになります。真鍮の棒から作ることにします。

スピンドルアダプターの製作

真鍮の棒をチャックでくわえ、φ19mmの穴をドリルであけます。モーターの軸が入る穴です。この穴を中心に外側も丸くします。

左の写真は静岡県のももとせ工房さんが作ったものです。基本的には同じような構造にします。

JWAの講習会では和式ろくろの名人、伊藤誠一氏の独楽作りを見せて頂きました。使っていた旋盤はお世辞にも素晴らしい物とは言えません。弘法筆を選ばずというところでしょうか?そこで少し改良版の和式ろくろを作ってみることにします。

和式ろくろではツールレストは固定されず自由に動かすことが出来ますが、西洋式に慣れている我々には、固定出来ないと使いにくい。そこで鉄板をレール代わりに取り付け、ツールレストを自由に固定出来るようにしました。小生はデルタの46-460のツールレストを取り付けてみましたが、持っていない方はオフさんで安く購入できます。

下の写真はYahooのオークションで購入した、1"x8TPIのダイスです。国内ではこれを売っている販売店が見つからないので、買う場合はYahooかアメリカからと言うことになります。