2012年3月8日

ウッドターニングで刃物を研ぐことは非常に重要です。研ぐたびに毎回同じように鋭い刃先に出来ないと駄目です。毎回同じように研ぐのは結構難しく、そのためには治具を使うことが一般的です。プロの人は治具を使わず、良く切れるように研ぐことが出来ますが、アマチュアの場合は、治具を使うことをお勧めします。

シャープニング用の治具は色々なものが、数社から発売されていますが、右の写真のOneway社のWolverrine Systemが沢山のウッドターナーに使われおり、標準品になっていると言って良いでしょう。シンプルな構造で、比較的値段も安くグラインダーと共に、この治具を買えばよいでしょう。ウッドターニング上手さんではこの治具を研磨基本冶具として、14,000円で売っています。それ程高くないのでこれをそのまま買うことをお勧めします。

しかし旋盤とチャックを買っただけで、予算を使い果たしてしまう人も居るでしょう。その様な方たちに朗報です。この治具は買わなくても、安く自作できます。お金のある方はこの後の記事を読む必要はありません。

ガウジを左右に振って研ぐ治具は、以前紹介したものを自作してください。

ラフィングガウジなど長いものはレールを長くします。手持ちのケヤキの板を使いました。

テーブルも木で作ることが出来ます。スクレーパーなどのシャープニングに使います。

グラインダーにレールを取り付けました。ボルトを緩めると木で作ったVアームは、前後させることが出来ます。ガウジのベベル角を合わせてから、蝶ナットを締め付けます。問題なくガウジのシャープニングが出来ました。

レールの溝を切る

ルーターテーブルがあるので簡単に溝が切れました。このような電動工具を持っていない人の方が多いでしょう。その場合は手引きの溝カンナなどを使ってやってください。あるいは木を接着することで溝は作れます。

カーテンレールの利用

工房の端にカーテンレールが転がっていました。これを見ると旋盤のベッドに見えてしまうのが、殆ど病気と言って良いでしょう。旋盤のベッドと同じような形状なら、スライドアームも固定できるはずです。溝の幅は7mmぐらいあるので、6mmのボルトを通すことが出来ます。上からナットで固定する場合、ボルトが回転しないようボルトの頭に四角い鉄板を取り付けることにしました。カーテンレールについていた金具が丁度良いサイズなので、タップを切ってボルトの頭に取り付けました。M6の四角いナットを買って取り付けても良いでしょう。

グラインダーについても触れておきたいと思います。ウッドターニングで使う刃物は、発熱を嫌います。従ってウットターニングの刃物を研ぐには、通常のグラインダーが3,600RPM(60Hz)の回転数に対して、半分の回転数1,800RPMのハーフスピードグラインダーを使います。刃先の焼き入れが、戻らないようにするためです。これもウッドターニング上手さんで、砥石の直径が20cmの物が31,500円で売られています。直径15cmより20cmの物がお勧めになるので、国内で購入しようとするとこれしかないという状況です。小生など一部のマニアは、日立など国産の工業用のグラインダーの中古品を買って、インバーターで回転数を調整できるようにしている人も居ます。しかしこれはさすがにハードルが高いでしょう。

予算のない方はホームセンターへ行くと、5,000円ぐらいで売っている15cmのグラインダーを買って、今回紹介する治具を自作してください。そうすると1万円以下で、シャープニングが出来るようになります。

シャープニング治具の自作

Onewayの治具では赤いレバーを緩めるとスライドアームが前後します。この機構と同じことを自作治具で実現することが必要になります。下の写真は小生の屋外で使う15cmのグラインダーです。このグラインダー用にOnewayの治具を買うのは、予算が許さなかったので、引出などに使うレールを取り付けました。最初は非常に便利に使え、安く出来たと満足しましたが、すぐに問題が出てきました。グラインダーから出る粉が、レールのボールベアリングの中に入って、レールの動きが渋くなってしまいました。これでは使えません。別の方法を考える必要があります。

スライドアーム