2011年6月19日訪問

材木置き場

すべての材料の木は、燻煙乾燥されて、丸く加工済みのケヤキと銀杏を輪島の材木屋さんから購入されています。従ってバンドソーなどの材木を切る道具がありません。棚に必要な材料を積み上げておくだけです。この様な形の材料は割れなどがなく、ほぼ100%使えるとのことです。

これが寒長さんが挽いた杯です。輪島塗りでは布着せという細長く切った布を木地に貼り付けることが多いので、お椀などの淵は非常に薄く挽く必要があります。

輪島工房長屋

輪島工房長屋は 輪島塗の木地づくりからはじまり 漆塗り、輪産物、漆器や体験の各工房が集まった 新たな交流施設です。輪島朝市のある通りの近くにありますので、立ち寄ってみました。

金工旋盤なのでねじ切り機能も付いています。ネジはすぐにあくようにオスは1山ぐらいになっていました。

見本を見せて頂いたが、高台と淵は布を巻くので、非常に薄く仕上げられています。

薄いお椀の淵は振動して挽けないので、お椀の直径と同じぐらいの木の輪をはめて振動を抑えて挽いておられます。

輪島寒長椀木地店
テンプレート
和式ロクロ

工房は意外とこじんまりとしたところでした。入り口を入ると正面に和式ロクロがありました。このロクロは主軸の上にモーターを取り付け、ベルトで駆動しています。木の台の上に主軸を固定するだけなので、和式旋盤自体は簡単に作れそうです。しかし使うのは難しいようです。

石川県輪島市にある寒長椀木地店を6月19日に訪問しました。輪島ではどの様に製品が作られているか?完全分業になっているようです。輪島では製品の開発から製造までを統括する総合プロデューサー的な存在の塗師屋(ぬしや)さんがありますが、木地屋さんはその塗師屋さんからの注文を受けて木地を挽き、塗師屋さんに収める。それを塗師屋さんは塗りの方に回し、完成したものを販売店に収めるということになります。今回は木地師30年の寒長椀木地店を訪問しました。

輪島で金工旋盤を使っているのは、寒長さんのところだけだそうです。粗挽きを早く大量に出来るので使っておられるようです。仕上げは和式ロクロになります。

金工旋盤

素人のウッドターニングと違って、プロの場合は同じ形のボウルを沢山作る必要があります。その為色々な形のテンプレートがありました。下の右の写真をクリックして頂くと、お椀を挽いている動画を見ることが出来ます。同じ形のお椀にするため、サンプルとテンプレートの両方を使って挽いています。