2011.05.20

仕上がり寸法はφ75ox30mmです。カルナバワックスでバフをかけました。板目で木取りをしていますが、今のところ狂いは出ていません。

ねじ山は崩れることなく綺麗に切れています。ルーターを使うと、旋盤でねじを切るより、全般に綺麗になりますが、この紅紫檀の場合は、特に綺麗に仕上がります。

携帯型薬入れの製作

外側を先に仕上げます。少し削ったところで木目が見えるようになります。蓋と身の木目が通っているかどうか確認します。殆どの場合はずれているので、木目が通るよう調整します。写真を撮り忘れがあるので、別の写真を使いますが、身の肩の部分を削ります。ねじ山のある面ではなくそれに直角の面を切り取ると、蓋が先に進むので微調整して木目を合わせます。とりあえず1/4ぐらい手前でとめておきます。蓋を薄く仕上げるとねじが締まっていくので、手前に止めておくわけです。

ねじ切り治具から身をチャックごと外して、旋盤に取り付けます。蓋を身に取り付けます。

蓋のねじ切り

ルーターに直径10mmのカッターを取り付けて、回転数は1万RPMで回します。ネジのピッチは16TPIですので、山から次の山までのピッチは1.6mmぐらいになります。

まずサラサラの瞬間接着剤をねじを切る部分に塗ります。サラサラなので、木の中に浸み込んでいきます。十分浸み込んだら、硬化促進剤をスプレーします。チャックごとねじ切り治具に取り付けます。

まずチャックでつかめるよう、つかみしろを作ります。つかみしろは両側に作ります。木目は板目で取っています。従って旋盤のベッドに垂直に木目は通っています。

次にパーティングツールで身と蓋を切り離します。

身の内側を概略掘った後、ネジを切る部分に瞬間接着剤を塗ってから、チャックごとねじ切り治具に取り付けて、ネジを切って行きます。身の内側は最後に仕上げます。ネジを切り終わったら、蓋を取り付けて、問題なくねじ込めるかどうか確認します。

身のねじ切り

チャックから蓋を外して、身を取り付け旋盤に取り付けます。ネジ山は2.5山切りますので、1.6mmx2.5=4mm。それにねじのない部分が3mmで合計7mmぐらいの幅になります。ノギスで測って7oを決めます。

身の方の雄ネジ部分の直径は蓋の内径をノギスで測って、それにねじの引っ掛かり高さの2倍を足します。16TPIのネジでは引っ掛かり高さは0.895mmですので2倍すると1.79mmになります。蓋の内径+1.79mmが身の雄ネジ部分の直径になります。

製作開始

旅行の時に薬を入れて持ち運びが出来る、ねじ切りボックスを作ってみました。材料は紅紫檀です。この木はねじ切りには最適ですが、割れが多いのが欠点です。今回のような小さなボックスの場合は割れがないところを使うことが出来ます。

身の底はまな板チャックを使って仕上げます。

仕上げ
蓋の方の内側を仕上げます。内径はネジの部分を考慮して寸法を決めます。端面を平らにして、内側はサンドペーパーをかけます。
完成

目標の外形寸法に近くなったら、蓋を外して壁の厚みを確認します。最終的に木目を合わせてから、サンドペーパーをかけます。身の内側はこの後仕上げます。

ねじ山は余裕を見て蓋の方は5山ぐらい切ります。ルーターを使うとねじ山が崩れず非常にきれいに切ることが出来ます。最後に蓋の淵のねじ山を1つスキューで削り取りました。これはネジの逃げ角でこれを作らないと、ネジがぴったり閉まりません。