2011.03.04

左の写真はスキューでカットしているところです。綺麗に切れています。下の写真はスクレイパーを通常通り、ワークに直角に当てて削っていますが、木の繊維をむしり取っているので、切った跡が汚くなっています。スクレーパーを嫌う理由はこれです。だったらスキューの様に使えば良いということになります。

刃先を丸くしたので、溝も掘れます。

ドロップ・ノーズ・スクレーパー
使ってみる

スキューだと右から左は、右利きなのでやり易いが、左から右はやりにくい。しかしこのツールは両側に刃が付いており、左右に動かすだけです。スキューよりずーと使いやすい。

シアーカットとスクライパーカット

57度にしたベベルをワークに当ててこすります。この状態ではもちろん切れません。ハンドル側を少し上げていくと刃先がワークに入っていくようになります。刃の当たり方、形状からしてスキューと同じようにきれいに切れます。先端の形状はどの様にすると良いか、使いながら考えるそうです。10時から2時の位置を使います。角も使えます。スキューより簡単に使えるので、すぐに慣れるという。

ベベル角の変更

スクレーパーのベベル角は通常70度〜80度です。これを57度ぐらいに変更します。くぼみとかビードを作る場合はさらに鋭角の45度ぐらいにすると良いそうです。形状は先端が丸いラウンドノーズにします。

AAWの2011年2月の会報に「スクレーパー潜在能力をスピンドルターニングに使うことを考える」という記事が出ていました。スクレーパーは、熟練したウッドターナーなら殆ど使わなくなるツールです。小生も初心者の方にはこのツールは買うな。金があるならガウジの種類を増やした方が良いと言っています。しかしその様に決めつけて良いのでしょうか?この記事をじっくり読むと、スクライパーの活用方法が分かってきました。AAWの記事の概略の内容は下記の通りです。

考察

このドロップ・ノーズ・スクレーパーは思った以上に、使い易く、キャッチングはしにくいので、初心者でも問題なく使えると思います。通常のスクレーパーの使い方に比べると、ベベルをワークにこすっているので綺麗に切れます。スキュー、ガウジよりシャープニングが簡単に出来ることも良い点です。ツールの値段もガウジよりスクレーパーは、溝のない平板なので安く購入出来ます。

問題はこのツールを使いだすとスキューを使わなくなり、スキューの腕が落ちることぐらいです。一度試してみてください。

スキューの様に木口を平らにすることが出来ます。恐々やったが完全にコントロール出来ました。

ヒノキですが、刃の当て方で綺麗に切れるようになります。

ドロップ・ノーズ・スクレーパーを作ってみる

スクレーパーのベベル角を鋭角にしただけでなく先端の上側を削り落としたものを、ドロップ・ノーズ・スクレーパーと言います。Myron W. Curtisという方が考え出したものだそうです。先端を削り落とすと、ツールのコントロールがしやすくなると言います。このコントロールしやすいツールに改造することにしました。刃先の形状を変えるのには#46の砥石を使います。ベベルアングルは45度にしました。ツールはシャフトを回転させて使うので、ツールレストに引っかからないよう、角をグラインダーで落とします。

このAAWの会報の記事を書いたのはMatthew C Lewisさんです。

使い方

非常に硬い紅紫檀の茶ずつです。スキューよりもきれいに切れます。スキューはホーニングをしっかりしないと、バリが邪魔して綺麗に切れません。しかしスクレーパーの場合はシャープニングが簡単な上に、硬い材料でも綺麗に切れます。