身の切り離しと内蓋の製作

次に身の方に66.7mmの穴をあけます。周辺の一部を削るだけなので、この様な大きなフォスナービットでも焼けは出ません。フォスナービットを使っているので、壁は完全に平らになります。木の表面は綺麗に切れているので、軽くサンドペーパーをかければよい仕上がりです。底の方は仕上げずにそのままにします。フォスナービットの跡が残りますが、あまり見えない部分なのでサンドペーパーもかけませんでした。

2011.05.12

完成

身をパーティングツールで切り離します。その後残った部分で内蓋を作ります。従って身は最初から長めに木取りする必要があります。指でつまむ部分は凹ませる必要があります。内蓋の高さを出来るだけ低くするためです。

蓋の底の中心はフォスナービットの刃がないところなので、綺麗に切れていません。周辺にも筋が入りますので、蓋の底は刃物で修正します。内壁は#180ぐらいのサンドペーパーを軽くかけて終わりです。もちろん底もパワーサンドをかけます。

内側はこの程度の仕上げです。あまり頑張っていません。しかしフォスナービットを使ったので、壁は平らに出来ました。

濡れた材の場合は楕円に変形するので、蓋物では当然ですが、粗挽きが必要です。乾燥材だと必要ないように思えますが、中心部をくりぬくと、木の中の歪が放出されて変形します。従って乾燥材でも粗挽きが必要になります。しかし放置期間は数日で十分です。説明に出てくる写真は紅紫檀とケヤキの2種類が混ざっていますが、写真の撮り忘れがあり寄せ集めになっています。あらかじめご了承ください。

誰にでも作れる茶筒の製作

外側にはバフをかけて完了です。無塗装です。

かみ合わせ部

茶筒はウッドターニングの作品としてよく目にします。また実用品であるため、販売するのも値段次第ですが容易です。ところが初心者がこれを作ろうとするとどうするか?深い穴をガウジで真っ直ぐに掘るのは難しく、スクライパー、スキューを使ってもなかなか平らな内面を作るのが難しいと思います。今回は初心者でも出来るインチサイズのフォスナービットを使った、簡単な方法を紹介します。その前にまず名人が作ったものをお見せします。ケチの付けようのない作品です。

これは別の材です。写真がないので撮り直しです。

身の方の底を仕上げます。まな板チャックを使ってくわえますが、芯が出ずらいので、ワンウェイの回転センターのアルミコーンを使って底を押すと芯が出ます。この時はチャックはきつく締めず、回転センターで押して芯が出た後締め付けます。しかし壁の厚みは3mmであることを頭に入れて、手加減をします。

身と合うかどうか現物合わせです。

サンドペーパーをかけた後、パーティングツールで切り離します。

内蓋が入るスペースを考えてかみ合わせ部分の長さを決めます。かみ合わせ部が平らになるよう、最後は平らな木片にサンドペーパーを巻いてサンドペーパーをかけます。どの部分も同じ直径になるよう努力します。緩くもなく硬くもないかみ合わせになるよう時間をかけて調整します。

最終的な蓋の内径は2 7/8"(73.0mm)で身の内径は2 5/8"(66.7mm)になります。サンドペーパーをかけるので、この数字よりは少し大きくなりますが、差は73.0mm-66.7mm=6.3mmで蓋と身のかみ合わせ部分の壁の厚みは6.3mm÷2=3.15mmとなります。従って粗挽きではこの穴の寸法より少し小さい穴をあけます。

発熱の少ないMaxi cutのフォスナービットを使って穴をあけます。手持ちのMaxi cutは2 1/8"なのでとりあえずそれで穴をあけます。その後、もう少し大きなフォスナービットで穴をあけて、粗挽き完了です。蓋の場合は73mmより小さくなるようにします。身は66.7mmより穴が小さくなるようにします。身と蓋に穴をあけて数日放置します。Maxi cutのフォスナービットがない場合は、直径の小さい物であけてから、徐々に拡大していくか?ツールを使って掘って頂いてもOKです。木を熱で駄目にしないように穴をあければ良いだけです。しかし66.7mmと73mm以下にすることは忘れないで下さい。具体的には直径で4〜5mm穴径を小さくして下さい。小さすぎると、最終のフォスナービットでの穴あけで発熱が大きくなってしまいます。

外側の仕上げ

蓋の内径は73mmですので、外形は79mmにします。従って壁の厚みは、3mmになります。あまり薄いと割れやすくなりますのでこれぐらいが適当でしょう。スキューを使うと綺麗に切れます。、サンドペーパーを#320番までかけて完了です。最後にバフをかけるので、#320ぐらいでとめておきます。

蓋の方も芯を出してから削っていきます。内側の深さはチャックに取り付ける前に測っておいて削るところに線を入れます。自信がなければ途中まで芯押し台で押しながら削っていきます。最後は芯押し台をはずさないといけないので、ガウジを研いでから最後の削りに入ります。

底の仕上げ

ノブの裏側はガウジではやりにくいので、リングツールを使いました。サンドペーパーをかけて完了です。

まな板チャックでつかみ直してつまみの部分を挽きます。

内側の壁にはサンドペーパーを軽くかけました。均一にかかるよう
注意しましたので、真っ直ぐな内面が出来ました。

最終穴掘り

紅紫檀で作ったものと蓋を浅くしたケヤキの茶ずつです。フォスナービットを使うと早くできるので、すでに5個出来ています。一度この作り方をお試しください。

粗挽きして数日(3日以上、出来れば1週間以上)放置した材料に、フォスナービットで穴をあけます。下穴があいていないとこの様な大きなフォスナービットで穴をあけると、発熱がひどくワークの木を駄目にしてしまいます。しかし今回は周辺の少しの部分を切るだけなので、発熱はほとんどありません。準備作業としてフォスナービットの中心の先端をグラインダーで削ります。その73mmの方のフォスナービットを使って蓋に穴をあけます。下の写真では73oだけ中心を落としてありますが、両方のフォスナービットの先端をグラインダーで落とします。これがあると中心の穴をなくすのに手間がかかるからです。また身の底の方は分厚くせざるおえなくなります

粗挽き