メーカー JET Woodfast Grizzly Delta KERV Beaver
型名 JML-1014VSI M305 G0658 46-460 KC-14 LAT-330-SH
最大旋回直径 25cm 30.5cm 30.5cm 31.8cm 35cm 31cm
センター間 35.6cm 40.6cm 50.8cm 41.9cm 43cm 50cm
モーター 1/2馬力 1/2馬力 3/4馬力 1馬力 3/4馬力 1馬力
バリアブルスピード ×
 最低回転数 500RPM  430RPM  300RPM   250RPM  250RPM  30RPM
インバーター式可変速 - - - - -
回転数表示 × × × × ×
逆回転 × × × ×
プーリー 3段 6段 3段 3段 3段 ?
主軸 1”x8TPI M30x3.5 1”x8TPI 1”x8TPI 1”x8TPI M30x3.5
モーズテーパー 2MT 2MT 2MT 2MT 2MT 2MT
インデックス 24ポジション 12ポジション なし 24ポジション 24ポジション 24ポジション
ロックピン ×
アウトボードターニング × × × (SH)
延長ベッド追加 × ×
重量 32.7kg 40kg 58.5kg 44kg 39kg 90kg
可搬性 ×
価格 \58,400 \35,000 \69,000 \80,000 \59,850 \200,000
販売店 ウッドターニング上手 ウッドターニング上手 滋賀ナイス ウッドターニング上手 オフコーポレーション ウッドターニング上手

旋盤の回転数の表示はGrizzlyにしかついていません。上手な人は回転数の表示が無くても、感覚的に分かりますが初心者にはあった方が良いと思います。小生はインバーターの窓の表示が小さいので、別に取りつけています。

これはBeaverDeltaしか逆回転出来るようになっていません。直流モーターを使ったモデルは、+−の極性を入れ替えるだけで正回転、逆回転を切り替えることが出来ます。スイッチ1つだけの追加で出来ることなのになぜメーカーはやらないのか分かりません。初心者はその様な難しいことはやらないと思っているのか?旋盤の電源部からモーターに行く線はアース線を入れて3本です。アースは緑色の線を使っていることが多く、赤白又は黒白の2本の線の極性をスイッチで切り替えるとモーターを逆転させることが出来ます。回路は下記の通りです。2回路2接点のスイッチが1つ必要です。

7、回転数表示

8、逆回転

旋盤のヘッドストックの右側をインボードと呼び左側をアウトボードと呼びます。アウトボードターニングとはハンドホイールを取り外してそこにワークを取り付けることが出来るようにしたものでベッドが無い部分で挽くことになるので、直径の大きい物を挽くことが出来ます。しかし西洋木工旋盤の特徴である、芯押し台が使えません。従ってお皿のような薄い物は問題ありませんが、部厚い物はワークが飛んでしまう危険性があり、作業に制約が出ます。しかしこれが出来ないものより出来た方が良いのは言うまでもありません。なお旋盤を逆転出来ない場合は、アウトボードでは左ネジのチャックなどが必要になります。インボードでは右ネジを使っているので、アウトボードではチャックのインサートを別に購入する必要があります。つまり金がかかるので、右ネジを使うためには、旋盤を逆回転させた方が安上がりです。

Beaverの旋盤はアウトボードの方に分類しましたが、ヘッドストックが回転するものです。芯押し台が使えなくなることは代わりありませんが、ヘッドを30度ぐらいの回転にとどめると、ベッド上のツールレストが使えます。90度回転させればアウトボードと同じ様に大きい物を挽くことが出来ます。

JET JML-1014VSI

10、アウトボードターニング

Woodfast M305

11、旋盤の重量

旋盤の重量は持ち運びのし易さを考えないとすれば、重ければ重いほど良いということになります。がっちりしたヘッドストック、太いベッド、頑丈に見えるテイルストックなど大きく重そうに見える旋盤が良いということになります。これは旋盤を見ると感じることが出来ますが、数字では重量がいくらあるかを確認すれば、その旋盤の能力をある程度知ることが出来ます。

12、可搬性

2011年12月29日改訂

木工旋盤の仕様比較

5、インバーター式可変速

アメリカでは木工旋盤は100モデル以上販売されています。しかし日本国内で木工旋盤を購入する場合、あまり選択肢がありません。輸入の木工旋盤を販売しているのは、オフコーポレーション、ウッドターニング上手、滋賀ナイスさんぐらいでしょう。国産の木工旋盤は別の販売店で売られていますが、良い物がないので購入をお勧めすることは出来ません。代表的な旋盤のモデルは下表の通りです。小生が実際に使ったことのある旋盤は、JET、KERV、Beaverの3機種のみです。従ってメーカー発表の仕様を見ながら話を進めます。下表に出ていない物は、あまりお勧め出来ない木工旋盤と言うことになります。初心者の方が新しい旋盤を購入される時の手助けになるよう少し解説したいと思います。あくまでも小生の個人的な感想ですので、絶対的な物ではなく間違っているかも知れませんがあえて下記します。参考になれば幸いです。

6、最低回転数

芯の出ていないワークを回した場合、振動が出ますので回転数を下げる必要があります。理想を言えば200RPM以下に設定できるのがよい。最低回転数が600RPM以上の旋盤は使いにくくなります。

メーカー別旋盤

ロックピンが無いのはGrizzlyだけです。これが無いとチャックなど締めつけた物を、主軸から取り外す時に苦労することがあります。付属のレンチを使えば問題ないのだろうが、ロックピンが付いている方が良い。

9、ロックピン

Beaver LAT-330-SH
仕様比較
KERV KC-14

木工フェアなど屋外に旋盤を持ち出して、デモしたり、体験実習をやる場合、あまり重い旋盤は一人で持てないので、宜しくありません。取っ手の付いたKC-14などは、39kgしかなくこの目的にぴったりです。電源も200Vのものはトランスが必要になったりするので、100Vのものが良いでしょう。

13、価格

WoodfastのM305はバリアブルスピードになっていないので、これが一番安く3.5万円です。国産のWT-300などの値段に近いのですが、使いやすさは全く別物で安いから悪いということはないと思います。上の表に出ている旋盤はそうゆう意味ではどれを買ってもあまり後悔しないでしょう。しかし旋盤別に特徴があるので、自分のニーズに合った物を買う必要があります。旋盤に3.5万円のM305を買ったとしてもそれだけではウッドターニングを始めることが出来ません。ワークを削るためのバイト、チャック、刃物を継ぐためのグラインダーとそれ用の治具などが必要になってきます。従って全部で10万円というコースになります。金額を押さえたい方は小生のサイトに出ている治具の自作をやって出費を抑えて下さい。

Delta 46-460

5、海外から購入

海外から商品を購入することが出来る人は1馬力のモーターの付いたDeltaの46-460をお勧めします。これが一番バランスが取れていて使いやすいように思えます。問題は国内で販売していないことです。輸入代行業者に頼んでも手数料は取られますが、購入することが出来ます。

6、上記に当てはまらない場合

上記のいずれにも当てはまらない場合は、GrizzlyのG0658かKERVのKC-14をお勧めします。どちらも3/4馬力のモーターが付いており、それ程困ることはないでしょう。

これは値段の高いBeaverだけが、インバーター式になっています。従って03000RPM間の回転数をつまみ一つで自由に変えることが出来ます。これが一番良いことはな違いありませんが、値段が高くなることが問題です。

2、センター間

3、モーター

4、バリアブルスピード

これはGrizzlyとBeaverが50cmまで挽けます。JETとDeltaとBeaverは延長ベッドを取り付けると、更に長い物が挽けるようになります。その他のモデルは延長ベッドを取り付けることが出来ないので、拡張性が低いということになります。

モーターは1/2馬力、3/4馬力、1馬力の物を使ったことがありますが、1/2馬力は明らかに非力です。ガウジで少し厚めに取ると、回転が止まってしまいます。KC-143/4馬力を使ってボウルを1個挽きましたが、1/2馬力と比べるとかなり力強い。しかし3馬力のモーターの付いたVL300を普段使っているので、それと同じように切るとやはり止まってしまいます。コストの問題もあるがKC-14には1馬力のモーターを付けて欲しかったと思う。1馬力のビーバーは使ったことがありますが、こちらは相当激しいことをやらない限り止まることはありません。須田プロが屋外でボウルを挽くのをデモした時は、1馬力のビーバーを使っていました。短時間にボウルの形を挽き上げるプロには最低1馬力ないと仕事にならない様です。しかしゆっくりやれば良い週末木工の方には3/4馬力でも良いでしょう。

バリアブルスピードとは回転数をつまみで簡単に変えることが出来ます。しかしBeaver以外は直流モーターにかける電圧を変えることで回転数を変えています。従ってつまみだけで03000RPMまでの間の回転数を自由に変えることが出来ません。3段のプーリーのベルト張替と併用で回転速度を変えることが出来ます。ベルト張替だけで回転速度を変えるモデルより、バリアブルスピードのモデルの方が使いやすいでしょう。

1、最大旋回直径

KC-14だけが35cmまで挽けることになっていますが、KC-14の重量は39kgしかありません。35cm近い、奥行のある物を挽くのは厳しいでしょう。大きな物をやる場合はバンドソーで完全な円形に切り出すなど、対策が必要になります。旋盤の重量が関係してきますので、一番重いBeaverが有利で30cm近い物を問題なく挽けるでしょう。

電気の知識があって自分でインバーターなどを取り付けることが出来る場合は、一番安いM305を購入してモーターを1馬力の三相モーターに交換。インバーターを取り付けて、回転数を自由に変えることが出来るようにします。小生はスチールシティの旋盤を買ってモーターを交換、インバーターを取り付けています。これでBeaverと同じ様に連続で回転数を変えることが出来、モーターも1馬力で十分な力がでます。

http://techsan.web5.jp/Link94.html

3、屋外に持ち出して使う場合

クラフトフェアなどで屋外に持ち出してデモをする場合は、持ち運びのし易いKC-14が一押しです。取っ手が付いていることと、軽量であることがその理由です。

4、電気の知識がある場合

Grizzly G0658
旋盤の選択

1、予算が限られている場合

WoodfastのM30.5が一番安いのでこれを選択することになります。バリアブルスピードではないので、ベルトの張替が面倒です。しかし低速の回転ではプーリーの比率の分だけトルクが強くなるので、悪いことばかりではありません。

2、予算に余裕がある場合

Beaverを買って下さい。インバーターが付いているので本当の意味での無段変速になります。ヘッドが回転するので、30cmより大きい物も挽くことが出来ます。