ダブルベベルU−ボウルガウジ
夢工房月例会(2008年5月11日) FEWS-夢工房合同開催
終わり
スピンドルガウジで仕上げ

刃先を右の写真のように使ってボウルの内側を仕上げることが出来ます。底から淵に向かって引っ張ります。

スピンドルガウジ
シャープニング

須田さんのシャープニングは、フリーハンドです。治具を使っているより、上手そうに見えるのは、筆者だけでしょうか?ガウジはどうしても、治具を使わないと出来ません。出来るようになりたいものですが、中々上手くゆきません。

今回はFEWSと夢工房の合同の開催でしたが、内容が豊富で参加者は十分満足されたと思います。筆者も新しいことが沢山あって、勉強になりました。午前午後と連続で講習をして頂いた講師の方にはこの場を借りてお礼を申し上げます。

マホニーのボウルの淵用

溝の深さがディープ、深い場合はボウルガウジ、シャロー、浅い場合は、スピンドルガウジと呼ばれています。さらに溝が浅いとディテイルガウジと呼ばれます。しかし今回の溝の深さはボウルガウジという名前で売られている物の中でも溝の深さに差があるので、それについてどの様な差があるのか最初に、説明がありました。

これは新品のガウジを買うとこの様な刃先の形状で送られてくるという説明だったか?忘れてしまいました。昔はガウジを鍛造で作っていましたので、この様な形になった。しかし現在は丸棒に溝を掘ってから焼き入れをしてシャープニングをする。昔の形と同じでなくても良いはずだがこの様な形で販売されている。これは左右のウイングが引っ掛かりやすいとう、印象を持つが、全く問題なく使いこなす人も居るようです。

ベベル角20度のスピンドルガウジ

これはベベル面が広いのでワークに当てやすく少し傾けると切れ始めます。スキューの下手な筆者には便利な道具です。この刃物は丸い棒から削り出したのではなく、昔の鍛造のように平らな板をプレスで丸くした物のようです。刃物に厚みがありません。トンプソンのように丸い棒から削り出した、スピンドルガウジでは、この様な刃物は出来ないと思います。スキューより簡単に使えて、結構奇麗に切れます。

溝が深いボウルガウジはプルで使うと、沢山カット出来て調子が良い。一方溝の浅いボウルガウジは押して使うと上手く行きます。実際に同じ条件でやってみると良く分かります。溝の深さの違うボウルガウジをお持ちの場合は試してみて下さい。

ガウジについての疑問解消 講師:須田二郎氏

筆者のツール棚を見るとAshley Ilesのスピンドルガウジがありました。須田さんが持ってきた刃物とほぼ同じ形です。早速これの形を変えて、スキューもどきにするつもりです。

サイド部が研磨されていないスピンドルガウジです。スピンドルガウジですが、ボウルの外側などの仕上げに使います。

ダブルベベルのボウルガウジです。太さは1/2インチ(ボウルガウジなので約16mm)だったと思うが、ダブルベベルにしたことにより、ツールレストから飛び出し量が増えてもキャッチしなくなるという。ガウジの2段目のベベルをボウルの当てて押すと切れます。普通はキャッチングしそうな角度ですが、キャッチングをしません。2段ベベルになっているからだという。2段ベベルのガウジのシャープニングはちょっと面倒だが、1本作っておきたい刃先形状です。

プル(引っ張る)でカット
プッシュ(押して)でカット

マホーニがボウル用3本セットの内の1本ヘンリーテイラーのディテイルガウジです。ボウルの淵だけをやるガウジで底の方は使えません。底は次に出てくるガウジを使います。ボウルの淵はこのガウジ以外でも出来ますが、何が良いかと言えば、非常にきれいに仕上がることです。サンドペーパーをあまりかけなくても良いぐらい奇麗に切れています。

ボウルガウジの溝の深さ
これは何だったか?
マホニーのボウルの底用

なぜボウルを1本のボウルガウジでやらないのか?プロの方でも1本ですべてやってしまう方もいます。しかし須田プロの場合は、人気の作者なので注文が沢山来ている様です。筆者のようなアマチュアではないので、短時間に出来るだけ沢山挽く必要があるそうです。確かにゆっくりやっていたのでは売上金額が上がらない。従って早くきれいに仕上げるため、ボウルの場所に応じて、ガウジを使い分けているという。1本でやるより時間短縮が出来るのでしょう。しかし我々アマチュアには、沢山のガウジが不要なのでしょうか?そうではありません。アマチュアはそれ程時間で追われる訳ではありませんが、奇麗でかつ安全に出来るというのはあり難いことです。須田プロ程沢山のガウジを持つ必要はありませんが、マホーニーのガウジぐらいは揃えておきたいものです。新たに買う必要はなく手持ちの物を改造しても良いでしょう。右の底用のガウジは2段ベベルになっていますが、1段でも筆者は問題なく使えています。1段にする理由はシャープニングが簡単だからです。垂直にガウジをボウルの底に当てて挽いていきます。初心者でも比較的簡単に挽けて、仕上がりがきれいです。ちなみに下の写真の方は、初心者ではありませんので、念のため!