ペン作りの講習 講師:鈴木直人氏

マンドレルの芯を出すためには円錐型の回転センターを使う必要がある。旋盤を買うと付属しているテイルセンターでは心棒が曲がるだけできちんと押せない。写真下左のような物を準備する必要がある。

旋盤は9台準備されていました。全員同時にペンづくりを始めることが出来ました。

完成
組み立て

ペンのプレス機があれば、作業がはかどりますが、なくても旋盤上でテイルストックで押せば、組み立てることが出来ます。瘤材は模様を合わせる必要がありませんが、寄木は模様を合わせる必要があります。ねじを締めた状態でぴったり合うようにするなど、配慮が必要です。

ターニングで丸くします。回転数は2,000RPMと高速に設定する。皆さん自分の得意な刃物を使っておられます。ブッシュと同じか少し高いところまで削ります。最後のところはスキューを使うと仕上がりが奇麗で良いでしょう。

マンドレル
材料

サンドペーパーは240番からかけます。400番までかけます。それから瞬間接着剤を塗ってサンドペーパーをかけます。これで1回目は終わりです。同様に2回目をかけてから3回目は瞬間接着剤を塗った後、1,000番ぐらいのコンパウンドをかけます。これでピカピカの万年筆の出来上がりです。ターニングが奇麗に出来ていると瞬間接着剤は2回塗るだけで完成させることが出来ます。着色用の顔料を塗る場合は瞬間接着剤を塗る前にやります。

夢工房月例会(2008年5月11日) FEWS-夢工房合同開催
仕上げ完了
バレルトリマ

今回は講師が事前に材料を準備しておられたので、作業はしなかったが、材料の端面は真鍮のパイプに対して直角で平である必要があります。そのためバレルトリマーという端面を平らにするドリルが売られています。直角を出すため真鍮のパイプに挿入するガイドが必要です。ペンのキットは色々売られており、直径が違うので下の写真のように真鍮パイプを使ったガイドを自作すると良いという。使い方は左下の黒いアダプターのようにペンの真鍮パイプの中に挿入します。

今回はボールペンではなく、あまりやったことがないペン作りを体験することになった。材料もかなり凝ったものが準備されていた。また瞬間接着剤を使った仕上げコーティングがペン用としては素晴らしい物であった。

今回の夢工房の月例会は、FEWSとの合同開催となった。当日急に来れなくなった方も居たが、15名の参加があって盛況だった。今回は講師が2名で2グループに分かれて講習会が開かれた。講師には2回同じことを、午前午後と説明して頂く必要があり、大変だったと思うが、少人数で講習を受けることが出来たので良かった。詳細は下記の通りです。

ターニングでやる部分はこれで完了です。出来上がったものを見ると非常にきれいです。瞬間接着剤が塗られているとは誰も思いません。ここまで出来ると後は、組み立てるだけです。

瞬間接着剤を早く乾燥させるため、硬化促進剤があります。左の写真の物は国内で売られている物です。これを使う理由は、出来るだけ早く瞬間接着剤を固めて、空気中に浮遊しているゴミを付着させないようにするためです。講習会の状況では横でサンドペーパーをかけている人がいるので、条件としては最悪です。自宅の工房でやる場合は出来るだけ浮遊塵のない状況で作業を進めて下さい。



右の写真は着色材です。瞬間接着剤を塗る前に塗布します。木の材質を生かしたい場合は、塗らなくてもOKです。

あ!やってしまった。寄木は少し難しいようです。ブッシュより下まではがれたので、もう使えない。カリンの瘤材に交換して作業続行した。↓

1、かりんの瘤材(写真左)
材料に穴をあけて真鍮のパイプを瞬間接着剤で固定したところまでの物があらかじめ準備されていた。コブ材なので木目がランダムであり、削る方向など考える必要がない。普段あまりやったことがない高級材です。
2、寄木(写真右)
違った種類の材木を張り合わせ、しかも斜めに木どりをしているので、矢羽のような模様が出る。木を張り合わせているので、削り方を失敗すると木がはがれてしまうことがある。これも普段やっている自然木と違うので面白い挑戦が出来る

ターニング

ペンターニング用のマンドレルに材料を取り付けます。道具としてはマンドレル以外に材料を固定するブッシュが必要になります。ブッシュをパイプに挿入するためパイプの角をナイフでえぐります。そうするとブッシュをパイプに挿入できるようになります。

仕上げ